フランス、古いものの良さを引き出す古民家

フランス在住の主婦です。住んでいるのは山間の土地にある田舎町で、美しい自然景観によくマッチした住宅をよく見かけます。

以前お邪魔して大変感銘を受けた深谷市の注文住宅お宅は、窓から見える景色を借景として取りいれ、それによく合うインテリアを施していました。

日本ではあまり考えられないのですが、仙台市で雨樋の修理が必要な古い民家(築100年以上!)に大々的なリノベーション工事をして、家の梁をそのまま露出させているのです。初めは、家の骨がむき出しになっている感覚がして落ち着かなかったのですが、次第にその古い木材の色目や風合いが、絶妙な味わいとして家全体の雰囲気を和ませているのに気が付きました。日本にもプロバンス風の輸入住宅として持っていくことがあるそうです。

インテリアは、この梁の木材に合わせたフレンチ・カントリー調。ところどころに新しく塗り直されたペンキが、これまたいい味を出します。各地のブロカント(古物市)で求めた調理器具などが壁にかけられ、どっしりとした暖炉が存在感を出しています。実際にはもう使われることはなく、暖房はセントラルヒーティングなのですが、きれいに磨き上げられた暖炉台は、オブジェの陳列空間としても最適です。古いものの良さを引き出そうとするご主人の姿勢に、温かいものを感じるお宅でした。